HOME > 書籍検索:亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ > なりすまし

亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅢ-16 なりすまし 正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験

なりすまし
著者 スザンナ・キャハラン 著
宮﨑真紀 訳
価格 2,420円(税込)
発売日 2021年4月21日
判型 四六判
製本 並製
頁数 466頁
ISBN 978-4-7505-1687-5
Cコード C0095
電子書籍発売中

オンライン書店で購入

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

内容紹介

「病院に入りたいなら、頭がおかしいふりをしなくちゃ」

脳炎を精神病と誤診された過去を持つジャーナリストは、かつて全米医学会を大きく揺るがした心理学実験――精神病患者になりすまして病棟に潜入する「ローゼンハン実験」の調査・取材を開始する。やがて、実験に隠されたある奇妙な点に気が付く。次第に明らかになる衝撃の真実とは...!?

「これは患者5213号の初入院の模様である。名前はデヴィッド・ルーリー。39歳のコピーライターで、子どもが2人いる。頭の中で声が聞こえるという。しかしそこには問題があった。彼はコピーライターでもないし、ルーリーという名字でもない。じつはそんな人物は存在しないのだ。実在しない『デヴィッド・ルーリー』は偽患者だった。約50年前、医師が精神病患者とそうでない人を区別できるのかどうか確かめるために、精神科施設にみずから入院した8人の健常者のうちの最初の1人なのである」(本書より)

「調査報道の偉業。探偵小説のような説得力」(「エコノミスト」誌)



【目次】
■ はじめに

第1部
 第1章 鏡像
 第2章 ネリー・ブライ
 第3章 狂気の存在する場所
 第4章 狂気の場所で正気でいること
 第5章 謎が謎に包まれている謎の男

第2部
 第6章 デヴィッドの本質
 第7章 「ゆっくり進め、場合によっては足踏みのままでもいい」
 第8章 「わたしなら、正体を隠しとおせるかもしれない」
 第9章 入院許可
 第10章 マッドハウスで過ごした九日間

第3部
 第11章 潜入する
 第12章 ……結局、人が正気かどうかわかるのは正気でない人だけだ
 第13章 W・アンダーウッド
 第14章 クレイジーエイト
 第15章 第一一病棟
 第16章 氷の上の魂
 第17章 ローズマリー・ケネディ

第4部
 第18章 真実の追求者 
 第19章 「ほかの疑問はすべてここから生まれる」
 第20章 標準化
 第21章 SCID

第5部
 第22章 脚注
 第23章 「すべては君の頭の中に」
 第24章 影の精神衛生ケアシステム
 第25章 決定打
 第26章 疫病
 第27章 木星の月

■ エピローグ

■ 謝辞
■ 訳者あとがき
■ 原注
■ 図版・資料許諾

【書評・メディア情報】
■週刊東洋経済(5月29日号)/書評(鰐部祥平氏・HONZレビュアー)
HONZ(5月29日)/書評(鰐部祥平氏)
■西日本新聞(6月19日)/書評(河野聡子氏・詩人)
産経新聞(6月27日)/短評
北海道新聞(6月27日)/書評(水原涼氏・作家)
ダ・ヴィンチニュース(7月17日)/紹介(すずきたけし氏)
■朝日新聞夕刊(7月28日)/「とれたて!この3冊」(東えりか氏・書評家)
■中日新聞夕刊(8月2日)/書評(藤井誠二氏・ノンフィクションライター)
■聖教新聞(8月24日)/短評
■本の雑誌(9月号)/紹介「海外ノンフィクション全集を作ろう!」
■週刊読書人(10月8日号)/書評(豊田香絵氏)

著者紹介

スザンナ・キャハラン(Susannah Cahalan)
1985年生。ジャーナリスト。ワシントン大学を卒業後、『ニューヨーク・ポスト』社に勤務。報道記者として活躍するが、ある日突然、自己免疫性脳炎という難病を罹患。その闘病記がすぐれたジャーナリストに贈られるシルリアン優秀賞を受賞。その後、治療に奔走した日々について記した著書『脳に棲む魔物』(KADOKAWA)がベストセラーとなり、『彼女が目覚めるその日まで』として映画化される。

宮﨑真紀(みやざき・まき)
スペイン語文学・英米文学翻訳家。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。おもな訳書に、ガブリ・ローデナス『おばあちゃん、青い自転車で世界に出逢う』(小学館)、ビクトル・デル・アルボル『終焉の日』(東京創元社)、メアリー・ビアード『舌を抜かれる女たち』(晶文社)、マイケル・ポーラン『幻覚剤は役に立つのか』(亜紀書房)など。

PAGE TOP