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優しい地獄
著者 | イリナ・グリゴレ |
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価格 | 1,980円(税込) |
発売日 | 2022年7月21日 |
判型 | 四六判 |
製本 | 並製 |
頁数 | 256頁 |
ISBN | 978-4-7505-1751-3 |
Cコード | C0095 |
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内容紹介
『雪国』を読んだ時「これだ」と思った。
私がしゃべりたい言葉はこれだ。
何か、何千年も探していたものを見つけた気がする。
自分の身体に合う言葉を。
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社会主義政権下のルーマニアに生まれたイリナ。
祖父母との村での暮らしは民話の世界そのもので、町では父母が労働者として暮らす。
川端康成『雪国』や中村勘三郎の歌舞伎などに魅せられ、留学生として来日。
いまは人類学者として、弘前に暮らす。
日々の暮らし、子どもの頃の出来事、映画の断片、詩、アート、人類学……。
時間や場所、記憶や夢を行ったり来たりしながらつづる自伝的なエッセイ。
《本書は、社会にうまく適応できない孤独な少女の記録であり、社会主義から資本主義へ移っていくルーマニアの家族三代にわたる現代史でもある》
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五歳の娘は寝る前にダンテ『神曲』の地獄の話を聞いてこう言った。
「でも、今は優しい地獄もある、好きなものを買えるし好きなものも食べられる」。
彼女が資本主義の皮肉を五歳という年齢で口にしたことにびっくりした。
——本文より
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【目次】
■生き物としての本 上
■生き物としての本 下
■人間の尊厳
■私の遺伝子の小さな物語 上
■私の遺伝子の小さな物語 下
■蛇苺
■家
■マザーツリー
■無関心ではない身体
■自転車に乗っていた女の子
■天道虫の赤ちゃんは天道を見ることができなかった 上
■天道虫の赤ちゃんは天道を見ることができなかった 下
■なんで日本に来たの?
■シーグラス
■ちあう、ちあう
■透明袋に入っていた金魚
■社会主義に奪われた暮らし
■トマトの汁が残した跡
■冬至
■リボンちゃんはじめて死んだ
■毎日の魚
■山菜の苦味
■優しい地獄 上
■優しい地獄 下
■パジャマでしかピカソは描けない
■紫式部
■あとがき
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【書評・メディア情報】
■毎日新聞夕刊(8月31日)/書評(大塚真祐子氏・三省堂書店成城店)
■「週刊金曜日」(9月2日号)/書評(五所純子氏・文筆家)
■「AERA」(9月19日号)/書評(近藤康太郎氏・朝日新聞天草支局長)
■毎日新聞夕刊(9月14日)/著者インタビュー
■東京新聞夕刊(9月20日)・東京新聞(9月21日)/紹介「海外文学の森へ」(くぼたのぞみ氏・翻訳家、詩人)
■南日本新聞(9月24日)/書評(村津蘭氏・文化人類学者)
■週刊読書人(9月30日)/書評(管啓次郎氏・詩人、明治大学教授)
■「FUDGE」(10月号)/紹介
■西日本新聞(10月1日)/紹介「カリスマ書店員の激オシ本」(田尻久子氏・橙書店)
■秋田魁新報(10月1日)/書評(村津蘭氏・文化人類学者)
■熊本日日新聞・中國新聞・新潟新聞(10月2日)/書評(村津蘭氏・文化人類学者)
■岐阜新聞(10月23日)/短評
■「men'sFUDGE」(11月号)/紹介
■北海道新聞(12月11日)/書評(澤田展人氏・作家)
■図書新聞(12月24日号)/「2022年下半期読書アンケート」(くぼたのぞみ氏・翻訳家、詩人)
■図書新聞(12月24日号)/「2022年下半期読書アンケート」(奥野克巳氏・文化人類学)
■信濃毎日新聞(12月31日)/書評(斎藤真理子氏・翻訳家)