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色彩から読み解く「源氏物語」
著者 | 江崎 泰子 |
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価格 | 2,420円(税込) |
発売日 | 2024年6月17日 |
判型 | 四六判 |
製本 | 並製 |
頁数 | 256頁 |
ISBN | 978-4-7505-1844-2 |
Cコード | C0070 |
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内容紹介
〈紫式部は色に何を託したのだろう?〉
◉最愛の女、紫の上は赤紫と紅。
◉ひと夏の恋の相手、夕顔はラベンダー色。
◉よき相談相手、花散里は露草の青。
◉出家をした藤壺、空蟬は墨のようなグレーの鈍色(にびいろ)。
稀代の色彩コンダクター・紫式部が『源氏物語』に織り込んだ「色の謎」を読み解く!
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〈「紫のゆかりの物語」は色の玉手箱〉
萌黄色(もえぎいろ)、桜色、茜色(あかねいろ)、菫色(すみれいろ)、桔梗色(ききょういろ)……。
平安時代、貴族たちは衣装を自生の植物で染め上げ、それらをいくえにも重ねて身に纏っていた。
その色のコーディネートは「重ね色目」と呼ばれ、桜重ね、紅梅重ね、柳重ね、蟬の羽重ね、紅葉重ね、雪の下重ね……四季折々の美しさに富んだ名を持つ。
それらを今に伝えるのが「源氏物語」だ。
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〈『源氏物語』はビジュアル小説〉
物語は、登場人物たちのきらびやかな衣装、交わされる文、華やかな年中行事など、色彩に溢れている。
女房として宮廷に仕えた紫式部は、確かな観察眼と天才的な色彩感覚で、それらの色に女性たちの喜びや悲しみ、嫉妬、生きづらさを託している。
本書は、紫式部が物語に織り込んだ色を、色彩学や心理学の観点から読み解き、1000年前の女性たちの実像に迫る。
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【目次】
一.『源氏物語』は色彩溢れるビジュアル小説
●紫式部は女君たちの衣装の色を意図的に描き分けている
●日本の伝統色の約七割は平安時代に作られた
●美しすぎる、光源氏の「桜重ね」
●チャームポイントは、襟元や袖口から覗く配色
●貴族社会における「禁色」というタブー
●鮮やか、艶やか! 驚きの『源氏物語』の色
●季節の移ろいに心を重ねた王朝人の美意識
二.衣装の色が物語る、女君たちの愛と人生
●「紫のゆかりの物語」のはじまり
●光君に残された空蟬の薄衣はなに色だったか?
●夕顔の花から始まった、ひと夏のはかない恋
●『源氏物語』の時代、男たちはどんな色を着ていたのか?
●年齢とともに変化する紫の上のシンボルカラー
●色のない女性たち、葵の上と六条御息所
●おかしくて、やがて哀しい、末摘花の赤
●緑が象徴する明石の上のセルフコントロール力
●花散里が染める露草の青
●源氏をふった玉鬘の山吹重ね
●可憐なピンクをまとう女三宮の秘密
●天才的な色彩演出家、紫式部
三.王朝文化を生んだ貴族たちの恋愛事情
●平安時代は、本当に一夫多妻制だった?
●待つ女・愛人たちの焦燥と嫉妬
●色彩が重要な役割を果たしたファーストコンタクト
●女房たちの心をわしづかみにしたラブレターの色は?
●色、香り、歌……王朝人が好む“ほのかな美”
●宮廷を彩るマスコット、女童たちの装い
●平安貴族はどのように喜怒哀楽を表現していたか
●心の深層へとつながる絵、音楽、夢
四.色で辿る登場人物たちのその後
●女君たちのシンボルカラーが勢ぞろいした六条院のイベント
●源氏をめぐる女性たち、それぞれの後半生──明石の上、末摘花、玉鬘……
●成長しない姫君の変貌──女三宮
●源氏にもっとも愛された女性の幸と不幸──紫の上
●鈍色に見る、「出家」という解放
●光源氏、最後の一年
●色彩から見えた、紫式部の密かな企み
五 紫式部からの問いかけは、千年の時を超え
●紫式部はなぜ色彩美あふれる物語を書けたのか
●紫式部の前半生──孤独な少女からシングルマザー、作家へ
●紫式部の後半生──道長とのウィンウィンな関係
●清少納言『枕草子』は輝いていた後宮へのオマージュ
●日向よりも陰に目がいく『紫式部日記』の憂鬱
●「宇治十帖」で示された女性たちの新たな選択
●色彩に託された紫式部のメッセージ
あとがき
参考文献
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