立川談志自伝 狂気ありて
著者 | 立川 談志 |
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価格 | 2,310円(税込) |
発売日 | 2012年7月24日 |
判型 | A5判 |
製本 | 上製 |
頁数 | 278頁 |
ISBN | 978-4-7505-1213-6 |
Cコード | C0095 |
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内容紹介
初めて明かす父の記憶、
敗戦に向けられた幼くも容赦のない視線、
落語への目覚め、
妻のこと、2人の子のこと、
そして忘れることのできない芸人たちとの会話、
大好きだった旅の想い出。
研ぎ澄まされた感性がゆえの苦悩、
崩壊していく肉体と精神。
それでも語り続けようとした希代の天才落語家、
最後の書き下ろし!
<目次>
第一章 負けず嫌いで皮肉なガキだった
父と母、空襲、疎開、敗戦
第二章 現在の職業になる如く
ラジオと映画、寄席、入門
第三章 いわゆる波乱万丈の人生だ
家族、家、仕事、交遊録
第四章 アフリカ、もう行けまい
旅、映画、外国ジョーク
第五章 エゴの塊のような気狂いが老いた
がん、声、未完
年 表 立川談志 七十五年の軌跡
<本文より抜粋>
ガキの頃のこと、疎開のこと、戦後のこと、落語家を志望し、売れっ子となり、世間との喧嘩。そしてこないだの病気入院。あっという間のこの時間、一体何だろう。
バアさん喘息で肺炎なって死んじゃった……と唄い、怒られた。つまりワルガキ、〝三つ子の魂〟の型である。
父親は無口な人だった。本を読んでいたという記憶もないし、ラジオを聞いていたという記憶もないし、映画の話をするわけでもない、釣りをするわけでもない。酒も飲まないし、遊びに出掛けるわけでもない。父親の趣味は何だったのか、何をして生きていたのか。
その頃の想い出は、一つ一つ鮮明に覚えている。
で、一口にいうと、このガキは負けず嫌いで皮肉なガキだった。
人間誰しもそうであろうと思うが、当然くる人生の終焉に対する己が身の「整理」、これであろう。
想い出という名の未練を書き残しておく。