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「新自由主義」の妖怪 資本主義史論の試み

「新自由主義」の妖怪
著者 稲葉 振一郎
価格 2,640円(税込)
発売日 2018年8月23日
判型 四六判
製本 並製
頁数 368頁
ISBN 978-4-7505-1547-2
Cコード C0030
電子書籍発売中

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内容紹介

「新自由主義」という、摩訶不思議な怪物の正体とは?
――1匹の妖怪が世界を徘徊している、「新自由主義」という名の妖怪が

あるときはグローバル資本主義の先兵、またあるときは自由放任主義と格差拡大の犯人……だが、その実体は?

見るものによってその姿を変える「新自由主義」と呼ばれるイデオロギーの正体を、ケインズ経済学/新古典派経済学/マルクス主義経済学の歴史と、戦後日本の経済思想史を丁寧にひもときながら突き止める!

「私自身としては、「新自由主義(Neo Liberalism)」という言葉を使うことにためらいがありました。どういうことかというと、この言葉多分に実体がない――具体的にまとまったある理論とかイデオロギーとか、特定の政治的・道徳的立場を指す言葉というよりは、せいぜいある種の「気分」を指すもの、せいぜいのところ批判者が自分の気に入らないものにつける「レッテル」であって「ブロッケンのお化け」以上のものではないのではないか、という疑いがどうしても抜けなかったからです」(本書より)

【目次】

第1章 マルクス主義の亡霊
 「新自由主義」は社会主義前夜なのか?
 資本主義に「外部」は必要なのか?
 国家独占資本主義としての福祉国家の危機?
第2章 ケインズ復興から見えるもう一つの経済史
 ケインズ主義とは何か
 発展段階論を超えて、経済史理解の転換へ
第3章 「保守本流」思想としての産業社会論
 戦後保守主義と社会民主主義の屋台骨としての産業社会論
 村上泰亮の蹉跌
 産業社会論の衰退とその盲点
 保守主義思想の屋台骨の喪失と「新自由主義」の台頭
第4章 冷戦崩壊後の世界秩序と「新自由主義」という妖怪
 冷戦崩壊後の世界秩序
 空白の中の「新自由主義」
エピローグ 対立の地平の外に出る

【書評・メディア情報】
■週刊読書人(8月24日)/対談=稲葉振一郎×金子良事
■高知新聞(9月30日)/書評(山形浩生氏・評論家)
■熊本日日新聞(9月30日)/書評(山形浩生氏・評論家)
■経済セミナー(10・11月号)/新刊紹介
■信濃毎日新聞(10月7日)/書評(山形浩生氏・評論家)
■福井新聞(10月14日)/書評(山形浩生氏・評論家)
■佐賀新聞(10月21日)/書評(山形浩生氏・評論家)
■中國新聞(10月21日)/書評(山形浩生氏・評論家)
2021年
■東京新聞(9月18日)/紹介(「栗原裕一郎さんの3冊の本棚」)
■中日新聞(9月19日)/紹介(「栗原裕一郎さんの3冊の本棚」)

著者紹介

稲葉振一郎(いなば・しんいちろう)
1963年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院経済研究科博士課程単位取得退学。岡山大学経済学部助教授を経て、現在、明治学院大学社会学部教授。 専門は、社会哲学。 著書に、『経済学という教養』(東洋経済新報社、増補版/ちくま文庫)、『「資本」論』(ちくま新書)、『「公共性」論』(NTT出版)、『社会学入門』(NHKブックス)『不平等との闘い』(文春新書)、『宇宙倫理学入門』(ナカニシヤ出版)、『政治の理論』(中公叢書)など多数。

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