HOME > 最新刊順書籍一覧 > 百の影

〈ものがたりはやさし〉02 百の影

百の影
著者 【著】ファン・ジョンウン
【訳】オ・ヨンア
価格 2,200円(税込)
発売日 2023年10月25日
判型 四六判
製本 上製
頁数 184頁
ISBN 978-4-7505-1819-0
Cコード C0097
電子書籍発売中

オンライン書店で購入

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

内容紹介

〈「2000年代韓国文学における最も美しい小説」ついに邦訳 〉

「暴力あふれるこの世界で、好きでいられる(もの)なんてほんの少ししかない」
強大な力によってかけがえのない日常を奪われながらも、ひたむきに生きる2人のあたたかで切ない恋物語。

---------

大都会の中心に位置する築40余年の電子機器専門ビル群。
再開発による撤去の話が持ち上がり、ここで働く人たちは〈存在していないもの〉のように扱われる。

──弱き者たちに向かう巨大な暴力。
この場所を生活の基盤とするウンギョムジェを取り巻く環境はきびしくなっていく。

しかし、そんな中でも二人はささやかな喜びで、互いをあたたかく支えあう。
2人が歩く先にはどんな希望が待っているのか……。

---------

僕は鎖骨のくっきり浮き上がった人が好きです。
  そうなんですね。
好きです。
  鎖骨がですか?
ウンギョさんのことが。
  ……あたし、鎖骨とかぜんぜんくっきりしてないけど。
くっきりしてなくても好きなんですから、ほんとに好きなんですよ。

---------

【目次】
■森
■つむじとつむじとつむじではないもの
■口を食べる口
■停電
■オムサ
■恒星とマトリョーシカ
■島

■あとがき
■ふたたび、あとがき
■訳者あとがき

---------

著者紹介

ファン・ジョンウン
1976年生まれ。2005年、短編「マザー」でデビュー。08年に短編集『七時三十二分 象列車』を発表。10年、『百の影』で韓国日報文学賞、12年、『パ氏の入門』で申東曄文学賞、14年、短編「誰が」で李孝石文学賞、15年、『続けてみます』で大山文学賞、17年、中編「笑う男」で金裕貞文学賞、『ディディの傘』で五・一八文学賞と萬海文学賞など数々の文学賞を受賞している。邦訳された作品に『誰でもない』(斎藤真理子訳、晶文社)、『野蛮なアリスさん』(斎藤真理子訳、河出書房新社)、『ディディの傘』(斎藤真理子訳、亜紀書房)、『続けてみます』(オ・ヨンア訳、晶文社)、『年年歳歳』(斎藤真理子訳、河出書房新社)がある。

オ・ヨンア(呉永雅)
翻訳家。在日コリアン三世。慶應義塾大学卒業。梨花女子大通訳翻訳大学院博士課程修了。訳書に『かけがえのない心』『大都会の愛し方』『天文学者は星を観ない』(以上、亜紀書房)、『世界の果て、彼女』(クオン)、『話し足りなかった日』(リトルモア)、『ママにはならないことにしました』(晶文社)、『秘密を語る時間』(柏書房)、『モノから学びます』(KADOKAWA)、『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』(東洋経済新報社)、『子どもという世界』(かんき書房)などがある。

PAGE TOP