HOME > 最新刊順書籍一覧 > モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと

モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと

モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと
著者 奥野 克巳
価格 1,870円(税込)
発売日 2020年9月25日
判型 四六判
製本 並製
頁数 248頁
ISBN 978-4-7505-1661-5
Cコード C0010
電子書籍発売中

オンライン書店で購入

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

内容紹介

 
息苦しいこの世界からの出口は、ある。

片づけコンサルタント「こんまり」のメソッドは、
自分とモノとの純粋な対話ではなく、自分自身との対話を目指すものなのではないか。
アニミズムとは、地球や宇宙における存在者のうち、人間だけが必ずしも主人なのではないという考え方だとすれば、自分との対話を目指すのは、人間のことだけしか考えていないという意味で、真のアニミズムとは呼べないのではないか。
本書の出発点は、ここにある。


アニミズムは「原初の人間の心性」として過去のものとされてきた。
しかし、そこには、人間の精神を豊かにするヒントが隠されているのではないか。
文学、哲学の大胆な解釈とフィールド経験を縦横に織り合わせて、「人間的なるもの」の外へと通じるアニミズムの沃野を探検する。

人間が世界の「主人」をやめた時、動物、モノ、死者との対話がはじまる。
 
 

【目次】
1 こんまりは、片づけの谷のナウシカなのか?
2 風の谷のアニミズム
3 川上弘美と〈メビウスの帯〉
4 壁と連絡通路——アニミズムをめぐる二つの態度
5 往って還ってこい、生きものたちよ
6 東洋的な見方からアニミズムを考える
7 宮沢賢治を真剣に受け取る
8 まどろむカミの夢——ユングからアニミズムへ
9 純粋記憶と死者の魂——ベルクソンとアニミズム
10 記号論アニミズム——エドゥアルド・コーンの思考の森へ
11 人間であるのことの最果て——語りえぬものの純粋経験
12 人間にだけ閉じた世界にアニミズムはない
あとがき
参考文献


【書評・メディア情報】
■北國新聞(11月14日)/短評
■富山新聞(11月14日)/短評
■岩手日報(11月22日)/短評
■南日本新聞(11月22日)/短評
■週刊読書人(11月27日)/対談=川瀬慈×奥野克巳
■信濃毎日新聞(11月28日)/短評
■NHK俳句(12月号)/紹介(神野紗希氏・俳人)
■中國新聞(12月6日)/短評
■公明新聞(12月7日)/書評(菅豊氏・東京大学教授)
2021年
■Voice(2月号)/著者 奥野克巳氏の寄稿内で紹介
■文化放送「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」(3/8~3/12)/紹介
■本の雑誌(5月号)/紹介(服部文祥氏)
2022年
■みすず(2月1日読書アンケート号)/紹介(服部文祥氏・登山家、作家)


著者紹介

奥野 克巳(おくの・かつみ)
1962年生まれ。立教大学異文化コミュニケーション学部教授。
20歳でメキシコ・シエラマドレ山脈先住民テペワノの村に滞在し、バングラデシュで上座部仏教の僧となり、トルコのクルディスタンを旅し、インドネシアを1年間経巡った後に文化人類学を専攻。
1994~95年に東南アジア・ボルネオ島焼畑民カリスのシャーマニズムと呪術の調査研究、2006年以降、同島の狩猟民プナンとともに研究している。
著作に、『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(2018年、亜紀書房)など多数。共訳書に、エドゥアルド・コーン著『森は考える―人間的なるものを超えた人類学』(2016年、亜紀書房)、レーン・ウィラースレフ著『ソウル・ハンターズ―シベリア・ユカギールのアニミズムの人類』(2018年、亜紀書房)、ティム・インゴルド著『人類学とは何か』(2000年、亜紀書房)。

PAGE TOP