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ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える

ひび割れた日常
著者 伊藤 亜紗
奥野 克巳
吉村 萬壱
価格 1,760円(税込)
発売日 2020年11月18日
判型 四六判
製本 並製
頁数 192頁
ISBN 978-4-7505-1674-5
Cコード C0010
電子書籍発売中

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内容紹介

 
未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった——。

「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。
消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。

生命、自然、生と死、共生と敵対。
いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。


【目次】

・はじめに——禍の街から、生命と自然のゆくえを見つめる
・ウイルスは我々に何を伝えに来たのか
・植物の時間
・足し算的時間と合理のひび割れ
・元の日常という脅威
・人間の体と植物の体
・〈凝固した日常〉を突き刺すもの
・被造物の底
・体を失う日
・「いる」の喪失とは何か?
・死の無力さと分身の持つ力
・コロナさん
・ようこそコロナちゃん
・聖なるもの
・垂直の家族、水平の家族
・コロナとはうまくやっていけるかもしれないが、人間同士ではそうではないのかもしれない
・ヒトと人
・グラブとアンパン
・アニミズム思考のほうへ
・二つの小説
・意味の非人間性
・覚知される世界、コロナの迷い
・堆肥男
・胎盤とバースデーケーキ

Ⅱ リレーエッセイを終えて
・生の全体性を取り戻す
・帯状疱疹ウイルスと私
・想像力の果てからやってきた使者

ひび割れた日常を生きるためのブックガイド


【書評・メディア情報】
■東京新聞(2月6日)/記者の一冊
■中日新聞(2月6日)/記者の一冊
■週刊文春(3月4日号)/書評(千葉雅也氏・哲学者)
■教職研修(8月号)/短評

著者紹介

伊藤 亜紗(いとう・あさ)
1979 年生まれ。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター、リベラルアーツ研究教育院准教授。専門は美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を取得(文学)。
主な著作に『手の倫理』(講談社メチエ)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)など。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017、第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody 賞(2020)受賞。

奥野 克巳(おくの・かつみ)
1962年生まれ。20歳でメキシコ・シエラマドレ山脈先住民テペワノの村に滞在し、バングラデシュで上座部仏教の僧となり、トルコのクルディスタンを旅し、インドネシアを一年間経巡った後に文化人類学を専攻。1994~95年に東南アジア・ボルネオ島焼畑民カリスのシャーマニズムと呪術の調査研究、2006年以降、同島の狩猟民プナンとともに学んでいる。現在、立教大学異文化コミュニケーション学部教授。
著作に、『モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと』、『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(以上、亜紀書房)、『マンガ人類学講義』など多数。共訳書に、エドゥアルド・コー
ン著『森は考える』、レーン・ウィラースレフ著『ソウル・ハンターズ』、ティム・
インゴルド著『人類学とは何か』(以上、亜紀書房)など。

吉村 萬壱(よしむら・まんいち)
1961年愛媛県生まれ、大阪府育ち。1997年、「国営巨大浴場の午後」で京都大学新聞社新人文学賞受賞。2001年、『クチュクチュバーン』で文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で芥川賞受賞。2016年、『臣女』で島清恋愛文学賞受賞。 最新作に『出来事』(鳥影社)。

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